ご無沙汰しております。
筆不精とはよく言うものの、毎度自分の飽き性にはうんざりとします。
さて、企画していた公演の延期が続いています。
仰々しい表題に合うほどのご報告かどうかわかりませんが、
現在も上演に関しては未定となっています。
「最大限の感染対策を徹底し、密を避けて上演します。」
と言うことも可能かもしれません。
事実、そうやって多くの劇団や製作会社がこの苦境の中、演劇の火を絶やさぬように努力されていますし、そうした皆様には畏敬の念を抱いています。
一方で、劇作をする人間として。
演劇は「密」が売り、むしろ成功に欠かせない要素となっているのは事実です。
綿密な打ち合わせ、緻密な演出、濃密な演技、そして密接する観客の肩と肩…
そうして生まれる、湯気を帯びた熱気こそ演劇を芸術たらしめると考えています。
また演劇は生活でもあります。
息を吸うように芝居を見る。息を吐くように芝居を書く。
そうやって生への活力を得ていたのです。
人と人とが物理的にも精神的にも疎遠となり、
息を吸うことも不織布越しを余儀なくされるこの世の中。
いつしか筆の速度は落ち、発想は乏しく、意欲も落ちてしまいました。
そうしたことから、やはり今後の上演に関しても、
この時代に終止符が打たれ、皆が笑いあって同じ空気を吸える時代が再び訪れるまで、
100%の自信作を、100%埋まった客席の皆様に届けられる時代が来るまで、
延期するかと思います。
芝居にするのも厭われるような、悲劇にも喜劇にもならない、不条理なこの時代。
希望はあると信じて、せめて心の呼吸は深々と。
いつか来るその日まで、皆様ご自愛ください。
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